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肩こりと戦ってきた人類の歴史

肩こりと腰痛の歴史はかなり古く、二足歩行を開始した人類の宿命と言われております。 紀元前2900年から紀元前1759年に栄えたとされる古代シリアの農耕遺跡で発見された腰の骨は変形しており、腰痛に苦示していると言われております。それが、現在確認できる肩こりと腰痛の始まりであります。人間が歩きながら獲物を追っていた狩猟生活をやめ、重労働の農耕を始めて以降、急速に増えだしたと考えられています。

 

肩こりと腰痛の爪あとは、世界各国にみられます。中国北部の新石器時代の遺跡からは、ツボを刺激することを目的とした鍼のように尖っている石が発見されました。紀元前1000年頃のバビロニア時代では、食用植物や水、シナモンの汁、牛乳などを加えてペースト状にしたものを皮膚に貼り付けて使用。紀元前4世紀頃のギリシアでは、古代ギリシア医学の父、ヒポクラテスとその一派がパップ剤を作り出したと言われております。当時は古代オリンピックが開催されるなどスポーツが盛んに行われており、選手の体の手入れのためにマッサージや、パップ剤等の外用剤が進化してきました。

 

600年代、中国の唐の時代には、灸やツボが大きく発展。日本の奈良時代では、大宝律令を改訂してつくられた「養老令」で、揉み療治である「按摩(あんま)」を積極的に奨励したのであります。平安時代に著された日本最古の医学書『医心方』には、生薬を細かく割り、竹簡で覆ったものを患部に貼ると傷が癒えるとの記載が残されており、これがパップ剤に該当すると考えられております。そして戦国時代には、生薬とごま油を混ぜあわせ和紙に塗ったものを使用するようになりました。

 

時代は飛びまして1760年代。産業革命により人間の労働は軽減されているのにもかかわらず、なんと肩こりや腰痛は増加! 原因は筋肉を鍛える機会が少なくなったことにあります。その後、自動車が普及! 悲しきかな、腰痛、肩こりは増加する運命へ。

1900年代の初めには、アメリカで泥状パップがつくられ、1970年代に日本へ。それを元に開発したのが現在のパップ剤であります。ストレスも大きな要因のひとつとされる現代人の肩こりと腰痛に大きく貢献しているのであります。

ちなみに、1910年(明治43年)、夏目漱石が書いた『門』の一節に「指で圧してみると、頸と肩の継目の少し背中へ寄った局部が、石のように凝っていた。」とあります。一説によると、「肩が凝る」という言葉は、夏目漱石の造語とも言われています。それ以前は肩こりを示す用語が日本にはありませんでした。この言葉が生まれたことで、多くの日本人が肩の筋肉が固くなる症状を自覚するようになったと言われているのであります。